「呼びましたよね?」 「呼んでませんっ!!」 「え〜じゃあなんで俺がここにいるんですか?」 「しるかっ!!」 うがぁぁと叫ぶイルカをカカシはぎゅっと抱きしめて、イルカの耳へと口元を寄せる。 「っ…!!」 「イルカ先生敏感だよね〜」 「五月蠅いっ!!」 そう怒鳴るものの、イルカはカカシの腕から出ようとしなかった。互いに顔を寄せ合って、相手の体温を感じる。それだけで安心するのだから、不思議なものだ。 「貴方が俺を呼んだら何時でも駆けつけます。どこにいても」 どんな声でも聞き逃しはしないから。 その言葉にイルカはじわりと涙を浮かべ、カカシの肩に顔を埋める。ぽんぽんと叩くカカシの手に、安らぎを覚えながら。 「…ナルトを守るのは貴方一人じゃない。俺も守りますから」 ナルトの理解者であるイルカへの風当たりは強い。それでも、カカシが担当上忍となったことでいくらか緩和したと思ったのだが、こそこそと見えないところでイルカを責める。そういうことを告げ口しないイルカの性格を良いことにして。 「一緒に守って行きましょう。アイツがそれらに立ち向かえるようになるまで」 弱々しくだが、はっきりと頷いたイルカにカカシはほっとして、再び耳元に口を近づけようとしたら、牽制された。 「…イルカ先生」 「助けてくれてありがとうございました。カカシ先生。それじゃ」 「それじゃってなんですか。このまま終わりってことですか?」 「ええ」 「…ええって…」 強張った顔をしているイルカに微笑んで。 「それで頷く俺じゃありませんよ!」 「ちょ…カカシ先生!?」 ぎゃぁぁぁと闇夜に響く声。この後イルカがどうなったのかは… Help me! ということで。 Help me! (2006.12.15) |