慰霊碑




いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない場所。
いつもと変わらない行動。

けれど、お前は知っているだろう?俺の心の中にできた暖かいもの。

返すことができたなら、うっせーよ、近づくなっ!!!なんて言ったかもしれない。だけどその後はきっと笑ってくれる。

良かったな、カカシ。
…なーんて言ってね。


毎朝毎朝話しても、あの人の話は尽きなくて、きっと同じ事を何度も言っているのかもしれないけれど。話したい。教えたい。

もう俺は大丈夫だからと。

なぁ、オビト。


風が吹き、優しい音だけが響き渡るこの場所は。きっとお前も大好きで。
いつも笑っているお前がいると思うから、毎朝来るのを止められない。

慰霊碑に乗った一枚の葉がくるりと舞う。

「さてと…そろそろ行くかな〜」

遅刻して怒る子供達と、眉を寄せるあの人。
これが幸せなんだろうな。

『ばーか』

そんなアイツの言葉が…慰霊碑から聞こえて来た気がした。

慰霊碑 (2003.3.22)