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その時、憎かったのは里を壊滅状態に追いやった九尾などではなく。
自分の、あまりに力の無い自分の弱さだった―――――
力が欲しい。
強い力が―――
「何やっている!イルカ!!!」
クラスメイトの笑い声とともに、アカデミーの教師の怒鳴り声が響き渡る。イルカはその声に笑い返し、自分の失敗を見て笑う子供達にも笑顔を見せた。
「放課後職員室に来い!!!」 「え〜」 「え〜じゃない!!!説教してやるからな!!!」
げぇぇぇっとした顔のイルカに再びかけられるのは大きな笑い声だった。
はぁぁ…こんな時間まで説教しなくても… カァカァとねぐらに帰っていく鴉の声。地平線に落ちようとする真っ赤な太陽。 とぼとぼと家路につくイルカは、肩を落としながら歩いていた。 昼間のいたずらの説教に2時間以上もどなられ、イルカの耳はきんきんしている。 ようやく教師があきらめて、イルカを開放してくれたのは良いが、彼が学校を出た途端感じたのは寂しさだった。 誰も居ない校庭。帰る道もほとんどすれ違う人もなく。やがて見えてきた自分の家。
胸が痛かった。
里を襲った九尾との戦いでイルカの両親は殉職した。その苦しみを悲しさを忘れるように、毎日イルカは馬鹿をやりクラスメイトを笑わせ、教師に怒られる。 ドアを開ければお帰りと言ってくれた声は二度と返らない―――
それを忘れるようにイルカは帰ると父親の書庫に入り浸るようになった。 適当に夕食を用意して、寝る時まで書物を貪り読む。新しい術を夢中に覚えることだけが、イルカの寂しさを忘れさせてくれたから。そして、それが今一番欲しいものだから―――
力。
力が欲しい―――
「で…きたっ…!!!!」
まだほとんどの人が眠りについているだろう時間、イルカは森深くに沸け入り、一人術の修行をするのが日課となっていた。ちょうど今日はアカデミーも休みなので、どんなにへばって動けなくなっても良かったから。
まだイルカのレベルでは無理だと思われた術を成功させ、それに満足する心とまだこれじゃ足りないという気持ち。
「…こんなんじゃ…駄目だ…」
たったこれだけで喜んだ自分を叱り、再び同じ術の印を組んで行く。一度成功するのではなく、何回も成功させて本当に自分のものにできなければ意味が無い… ふらふらになりながら、何度も、何度も。歯止めをかける者もおらず一人だったのが災いしたのか、イルカは突然目の前が真っ暗になった。 しまったと思った時には、彼の意識はすでになかった。
「父ちゃん―――母ちゃん―――!!!!」
延ばした手の先にはもう誰もいない。いつも微笑んで傍にいてくれた大切な人。 イルカの両親は忍だった。だから当然イルカも幼い頃から忍を目指していたが、それほど真面目に勉強をしていたわけではない。やはりその年頃のせいか、友達と遊ぶ方が何倍も楽しくて。 母に叱られてもその態度を改めることはなかった。
だが、二人を失って、イルカは初めて気付く。 何で二人にもっともっと術を習おうとしなかったのかと。目の前に、一番近い所に自分が目指していた目標がいたのに。彼らの存在をもっと感じることをしなかったのだろうと。
いつも禁止されていた父親の書斎には、沢山の巻物が残されていた。それを紐解いてみるも、今のイルカにはまったくわからない。
これを理解していれば、これを使うことができていたならば。
自分は二人と一緒に戦えたかもしれないのに。
実際、それは無理な話だとはわかっている。でも、自分に力があったなら、もしかしたら二人と離れずにすんだかもしれないのに。
失ってわかった彼らの重み。 イルカは何度も何度も声を上げて泣いた。
「ん…」 「気が付いたか?」 「あ…火影様!!!」 「散歩に来て見ればお主が倒れていたから驚いたぞ」
目を覚ましたイルカを覗き込む優しい眼差し。彼は真っ赤になって起き上がると、何度も何度も謝った。 そんなイルカに苦笑しながら、火影は辺りを見回した。
「…修行をしておったようじゃな…」 「あ…はい!!!でもなかなかうまくいかなくて…」
唇を噛締め、悔しそうな顔をするイルカの頭を火影はそっと撫でた。
「そんなに急く事はあるまい。自分の力を見極めながらゆっくり成長して行くがいい」 「…そんな…のんびりなんてできません!俺は…俺は早く強くなりたいんです!!!」
きっと火影を見返したイルカ。火影は黙ってそれを見つめ返した。
「俺に力があれば…強かったら…あの九尾と戦えたかもしれないのに…父ちゃんと母ちゃんと一緒に戦えたかもしれないのに…!!!俺に力があったら…!!!」
ぎゅうううっと服の裾を握り、涙を浮かべたイルカを火影は静かに見つめる。
「それで…?お主はその力を得てどうしようと言うのだ?」 「どうって…力があれば…何でもできる…そうあの九尾だって倒せるかもしれないっ!!!強かったら…強かったら…!!!」 「お前の言う強さとは、何かを倒す力なのか?」 「あ…当たり前じゃないか!!!それ以外何があるって言うんですか!力があったら誰も死ななかった!だから俺は強くなりたい!!!誰よりも強い忍になるんだ!!!」
はぁはぁと激しく肩を動かすイルカ。火影はそれをじっと見て、小さく首を振る。
「強さとは力があることではないぞ」 「え…?」 「本当の強さとは心にある。それを理解できぬかぎり、お前は強くはなれん」 「心…?」 「そうじゃ、相手を思い、大切にし、守ろうとする心じゃ。ただ力に溺れることは本当の強さとは言えん」 「そんな…思い、心…?そんなもので大切な人を守れるなら…父ちゃんも母ちゃんも死ななかったじゃないか!二人とも…俺が大切だと言っていた!この里が大切だと!!なのに死んだじゃないか!!!死んだじゃないかっ!!!!!」
イルカは火影にそう言うと彼の前から走り去る。その時彼の目に光るものがあったのを火影は見ていた。
(2003.3.18)
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あれから数年たって。イルカは下忍として日々任務をこなしていた。だが、下忍に与えられる任務はDやCと言った簡単なものばかり。早く強くなりたいのに、これでは何にもならない。 今日も子守りという任務を無事終えたイルカは、一人術を練習するために森の中にわけ入っていた。
…そう言えばここで火影様に会ったんだっけ… 今考えればずいぶんと失礼なことばかり言っていた。だが、自分の考えは間違っていないし、あの時言われた言葉を受け入れることもできない。 自分達を受け持つ上忍にも時々似たようなことを言われるが、イルカにはまったく理解できなかった。
なんで力だけじゃ駄目なんだ…!何で皆心、心って言うんだよ… ふうっと一息ついて、いつの間にか夜になっていたことに気付く。どうせ迎える人がいないと知っていても、家に帰らなければいけない。 とぼとぼと道を歩いていると、どこからか人の怒鳴り声のようなものが聞こえてきた。酔っ払いだろうかと、少し興味を引かれて、道をそれ声の聞こえる方へと向う。 そこへ近づいていくと、数人の大人がなにやら輪になって怒鳴りあっているようだった。酔っ払っている大人に近づいてもろくなことがないよなぁと思い直し、その場から離れようとした時。
え? 見えたのは小さな頭。 イルカは目を疑った。彼らは…大人達は怒鳴りあっているのではないことに。
小さな、小さな男の子を。
殴り、蹴り、そして…笑っていた。
何を… イルカは目の前の光景が信じられなくて、呆然とそれを見ていた。大の大人がよってたかってまだ3歳ぐらいの男の子を…
止めさせようとイルカが口を開きかけた時。誰かが言った。
「この疫病神め!!!」 「おい、そろそろ止めないとこいつ死んじまうぞ。ばれたらまずいって」 「はん!こんな奴死んだ方が里のためさ!九尾のガキなんぞ!」 「だが、火影様にばれたらやばいって…行こうぜ」
大人達は気絶し、ぐったりとしている子供に捨て台詞を残した。彼らがその子供を見る目には殺気が溢れ、慈悲の心など微塵も見えない。 やがて、彼らが見えなくなった後、イルカはよろよろとそこに近づいた。
九尾…? 里を壊滅状態に陥れ、四代目が命がけでそれを封印したとは聞いていた。それが産まれたばかりの赤子の中にということも。 戒厳令が引かれたためにそのことを口にするものはいないけれど、誰もがその子供を憎んでいることも。
ぴくりとも動かない。 これが本当に九尾を封じている器なのかと疑いたくなるぐらい、弱々しく力のない…
すっと手が子供に伸びて、知らずのうちに首へと動き…はっと我に返る。
今…何をしようとしていた…? 自分の行動に戸惑っていると、子供がぴくりと動いた。うっすらと目を開けた子供を見て、イルカは身を強張らせる。
さわるな。
子供の目は激しくその思いを伝えてきた。
触れるな。近づくな。
今にも鋭い刃で切り裂かれそうなほど、イルカを見る目は冷たく憎しみが込められていた。何もできないくせに。自分で動くこともできないくせに。なのに、子供はすべてを拒絶していた。
なんて…目をするんだろう… それはこんな歳の子供が持つべき目ではない。自分は…こんな目を知らない。 イルカが再び手を差し出すと、子供はうなり声を上げた。顔を殴られ、しゃべることができないのだろう。ぎらぎらと獣のようにイルカを見る。
すべてが敵。 油断するな、警戒を怠るな。
野生の獣のようにうなる子供。 彼を見てふと思い出す…
ああ…彼は殴られている間、一度も悲鳴をあげなかった…
「…何もしないから…」
そう言っても子供は警戒を解かない。すべてを拒み、しかし助かるために懇願もしない。誰にも卑屈にならない。信じられるのは自分だけ…
ふいに、子供がうなるのを止めた。どうしたのだろうと見返せば、子供は驚いた目で自分を見ている。
ぽたり。
冷たい。 そう思った時、自分が泣いているだと気がついた。どうしてと問い掛けても、涙は消えない。止まらない。何が悲しんだろう…何が悔しんだろう… そう思っていると、ふいに頬にぺたりと暖かいもの。何だろうと思えば…目の前には子供の顔。
「泣くなってばよ…」
体中痛いくせに、その痛みを押して他人の心配をする子供。 何故人のことを気にするのか?できるのか?自分は彼を傷つけた大人と変わりないんだろう?
「腹でもいたいのか?怪我でもしたのか?」
…そんな心配そうな眼で見ないで…お前は…お前は…九尾なんだろう?里を壊滅させた。両親を殺した… 九尾なんだろう…?
「大丈夫?」
何で…それなのに…どうして…
自分に触れる小さな手は暖かいの…?
「お前…の方が痛いのに…」 「あ…これ?いつものことだから大丈夫だってばよ!」
そんな強がりを言って、顔をしかめる。それでも痛いとも言わない目の前の子供。イルカは彼を抱きしめた。
「…ごめん…」 「え?」 「ごめん、ごめん…」
子供は初めて感じる誰かのぬくもりと、イルカが自分に向かって謝ることに戸惑っていた。
力が欲しかった。誰にも負けない力。大切な人を奪った九尾を殺せる力。
そうすれば失ったものを取り戻せると思っていたのか。そうすれば満たされると思っていたのか。
…こんな小さな子供を殺して?
自分はあの大人たちと同じだ。自分の苦しみを他人に向けていた彼らと。小さな子供を傷つけて満足しようとしていた彼らと。そんな自分が恥ずかしくて、彼に申し訳なくて。
「ごめん…ごめん…」 「兄ちゃん…泣かないでってばよ…泣き虫だなぁ…」
そう言ってにぱっと笑った子供。
ああ…彼はなんて強いんだろう… そう思った瞬間、蘇ったのは火影と上忍の言葉。
本当の強さは心にある。
相手を思い…大切にし…守ろうとする心…
ああ…彼らが言っていたのはこのことなのか…
力は修行し努力すればじょじょに身について行くだろう。だが、心はそう簡単ではない。 自分の辛さを苦しみよりも相手のことを考える。やろうと思ってもそんなことはできない。
「兄ちゃんあったかいなぁ…」
ふいに子供がそんなことを言い出した。照れくさそうにでも珍しそうに自分の胸に身を預けている子供。いきなり抱きしめたりなんかして悪かったなと思い、離そうとしたが、彼が自分の服を掴んでいることに気付いた。 そして手を離そうとしたのに気付いたのだろうか、不安そうな寂しそうな顔で見上げてくる。 子供の手が震えだす。イルカの服を皺の後がくっきりとついてしまうぐらいに。 その顔はまだ離れたくないと言っていた。
「怪我の手当しないと…」 「大丈夫ってばよ!!こんなのすぐ直るってば!」 「すぐ…?駄目だよ。痛いだろう?」 「大丈夫だってば!!!」
ぎゅうっとイルカにしがみ付く子供に、彼は戸惑う。イルカは無理やり離したら返って痛がるかと思い身動きができなくなってしまった。
「もう少し…もう少し…だけ…」
それは温もりに飢えている子供。 初めて感じた他人の体温に、子供はこれを逃がせばこんな機会は二度と言うように離さない。だからイルカは黙ってそのまま抱きしめた。 …やがて子供が眠りについてしまうまで。
「こんな所に居ったのか…」 「火影様!」
火影は子供の傷に悲しそうな顔をしながら、彼を抱き上げた。その時イルカの服の裾を掴んでいた手が見えて、火影は微笑む。
「すまなかったの…名はなんと言ったか…」 「イルカです!うみのイルカ!!!あの…火影様…」 「…不憫な子じゃよ。ナルトは…里の憎しみを一身に受けておる」
火影は知っているのだ。子供が…ナルトがこんな目にあっていることを。なのに何故放っているのかと、イルカが口を開こうとしたが、ナルトを見る火影の悲しみのこもった目に何も言えなくなる。
「大切な者を失った悲しみをぶつける場所。それがナルトじゃ。わしには精々この子の中に九尾がいるなど言わないようにするしかできぬ。…それしかできぬのじゃよ」
里の人間が間違っていることは確かだが、これ以上ナルトを庇うことは自分の立場ではできない。どちらの苦しみも悲しみも解るのに…
「…ナルトは…大丈夫かって言うんです…自分の方が痛いのに…俺…自分の愚かさに…彼を傷つけた大人と同じことをしようとしていたと気付いた時…泣いた時…心配するんです…」 「………」 「俺ずっとずっとわからなかった。火影様にも上忍の先生にも言われても、何故力を求めることがいけないのか…本当の強さを…心を手に入れろというのか…いけないのか…」
力を手に入れても永遠にこの心は満たされない。大切な人を失った痛みを癒すことができるのは…
「俺の両親はもう帰ってこないけど…二人が俺を守りたいから戦ったんだと…今気が付きました。二人は死ぬつもりなんてなかった。ちゃんと俺の所に帰ってくるつもりだった。だって…二人は…」
笑っていたから。 そんなことにも気付かないほど、俺はただ力を求めていた。自分の弱さを責めていた。そんなことをしていても何も解決しないのに。 未来へ、二人が残してくれた未来への道も閉ざすだけだったのに。
「ナルトは…こんなに憎まれているのに…彼のせいじゃないのに、その中に九尾がいるせいで…なのになのに彼はあの大人たちを憎まなかった…どうして…憎まないんだろう…」 「ナルトは人一番他人の心に敏感だ。自分を傷つけた者達の中にある苦しみを、悲しみを敏感に感じ取ったのだろう。自分を守るために他人を拒んでも、本当の意味で彼らを憎むなんてできないのかも知れぬな…」 「彼らは…ナルトのこんな思いなんて…気付かないんでしょうね」 「…そうじゃな」
火影が不憫だと言う。そう不憫だ。それじゃああまりに彼が可哀想すぎる。 誰にも…理解してもらえないなんて…受け入れてもらえないなんて…
でも。
だったら。
「俺がナルトを守りたいと思うのは…いけないことでしょうか?」
驚く火影を横目で見て、彼の腕に抱かれている金色の髪の子供を眺める。 里の人々の憎しみを消すなど自分にはできない。でも、自分が彼を受け入れることはできるのではないか。 そして、影ながらでも彼を守ることも…
「彼を俺の守りたいものにしてもいいでしょうか…?」
どれだけ傷つけられても相手を憎まない子供。彼ならば大人になってもその気持ちを失わないのではないだろうか。だが、これ以上、理不尽なことをされればわからない…だったら、それを少しでも防いでやりたかった。
彼がこのままその強い心を持ったまま…歩けるように。
「俺は…そのための力が欲しい」
そう言うと、火影は微笑んでゆっくりと頷いた。
「先ほどお前が言った言葉に覚悟があるならば、お主は…ここに行ってみないか」
ナルトを寝かしつけた火影は、居間で待っていたイルカに一枚の紙切れを渡す。 それは地図。火の国の端にある…深い森の中。
「ここは…?」 「ここは暗部の演習所の一つだ」 「え…?」
ぎょっとしたイルカに火影は頷いた。彼がそんなことを言うということは…
「じゃが、その中に暗部でも入ることが許されぬ場所がある。そこに入るためにはわしの許可がいる場所」 「…火影様の…?」 「暗部の中にわし直属の「黒の部隊」というものがある。その存在は暗部にいるものでも一部しか知らん。わしが直接選び、わしの命令のみで動く部隊じゃ。暗部…いや木の葉の里の忍の中でも最強の実力を誇る忍がいる所」
こくりと喉が震える。火影はふっ――と長い息を吐いた。
「その忍達は普段この里にいることが多い、実力を隠し潜んでいるがひとたび命令が下れば最強の忍と化す者達。お前にそこの一員となってもらいたい」 「で…でも俺…まだ下忍で…」 「「黒の部隊」のほとんどは下忍と中忍じゃ。いや、目立たぬよう上忍になっておらぬと言った方が正しい」 「えっ!?」 「彼らの存在は里でも秘密にしなくてはならないのじゃ。理由は色々あるが…してどうじゃ?イルカお前はそこに行く気があるか?」 「………」 「無論本当にそこに入る実力があるか試験はあるが、わしはお主なら大丈夫だと思っておる。…本当に大切なものを得たお前ならな」 「火影様…」 「暗部は忍の闇を走る者達。そして「黒の部隊」はその闇の最も深い場所を走る。なみの精神力では務まらん。彼らが狂わないのは…その心の中に「大切」な確固たるものがあるからだ」
そして里を愛しているから。生まれ育ち、大切な人たちが暮らすこの里を…
「はい。お願いします!」
ずっとずっと力だけを求めていた自分に、教えてくれた小さな子供。彼が無事育っていけるように、その時間をこの平和な時の中で少しでも得られるならば。
耐えられると思う自分がいることに少し驚く。
力が欲しい―――
強い力が―――
あの子供を守る、愛せる。
そのための力を―――
誰かのために・完(2003.3.19)
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